肝炎ウイルス検査を受けたことがありますか?

城間医院

2018年02月07日 09:09

 「肝臓は沈黙の臓器」と聞いたことはあるでしょうか。肝臓は栄養の貯蔵・代謝を行うだけでなくアルコールや有害物質の分解なども担っていますが、成人男性で約1.5kg、女性で約1.3kgと、体内で一番大きい臓器です。そのせいか障害を受けても自覚症状が出づらく、かなり重症化しないと黄疸や倦怠感などの症状が出ません。それが「肝臓は沈黙の臓器」と言われる所以です。

 長期にわたって肝臓が障害を受ける慢性肝炎が10年、20年と続くうちに、肝臓の細胞が壊死し続けていくため肝臓は小さく硬くなり、いわゆる肝硬変へとなっていきます。そうなると回復することはほぼ不可能で、色々な症状がみられるようになります。それは前記の黄疸や倦怠感以外にも、タンパク質産生不足による全身の浮腫や腹水、また食道静脈瘤が破裂することによる吐血、さらに肝臓がんの発生などがあります。こうなると末期肝硬変と診断され、余命率がかなり低くなります。

 その慢性肝炎の原因のひとつに肝炎ウイルスがあります。A型~E型肝炎ウイルスまであり、そのうちのB型やC型肝炎ウイルスが慢性肝炎を引き起こします。現在は内服治療することでそのB型やC型肝炎ウイルスの活動を抑えたり、ウイルスそのものを排除することが可能となっています。その結果、肝硬変への進展が防げます。しかしまずは肝炎ウイルスに感染しているかどうか確認しなければなりません。

 日本のB型肝炎ウイルス感染者は約140万人、C型肝炎ウイルス感染者は約200万人と言われています。沖縄県内にも多くの肝炎ウイルス感染者がいます。まずは検査を行い、ご自身が肝炎ウイルスに感染してないか確認することが大事です。そのため一度だけでも検査を受けることをお勧めします。県内では各保健所にて無料で受けられます。

 最後に厚生労働省の「肝炎総合対策推進国民運動事業」の活動の一環であるPR動画をご案内いたしますので、ぜひご覧ください。
 ※音声が流れます


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